「マリン」が天国に旅立った日…
9月29日。それは、4年前に先代ゴールデン娘「マリン」が天国に旅立った日。
海好きな僕らの想いから名づけられたマリン。
東京から一緒に沖縄に移住してきた時、マリンは11歳。高齢犬だった。
沖縄に連れて行きたいと話した時、獣医は飛行機が耐えられるかどうか保証できないと言った。
それでも沖縄のきれいな海で泳がせたい、という親の身勝手さで連れてきてしまった。
無事に移住も終わり、マリンとはどこに行くにもいつも一緒だったな。
読谷村や恩納村や南部の自然ビーチ、座喜味城や海中道路や本部町の桜まつり…。
車の後部座席は、マリン専用だった。
東京にいる頃からマリンには悪性腫瘍があり、沖縄に来て半年ほどで大きな手術をした後は、抗がん剤治療を続けていた。抗がん剤の後遺症でつらそうだったけど、海に行こう!と誘うと、いつもシッポを大きく振ってついて来たっけ。
「マリン」という名前のように、ホントに海が大好きな犬だった。
マリンと最後に行った海は、読谷村の自然ビーチだった。
仕事も一段落したし、急に海にでも行こうと思ったのだ。この頃のマリンは、後ろ足も引きずるようになっていて、満足に歩けない状態だった。でも僕の言った「海」という言葉に反応して、シッポを振る。
「マリン、一緒に行きたいのか? 大丈夫なのか?」と言うと、さらに大きくシッポを振り続けた。
「わかったよ、じゃぁ一緒に行こうな」
その言葉に、一瞬うれしそうな表情をしたように見えた。
ビーチに着いても、自分だけでは車から下りることも、歩くこともできない。妻がマリンを抱えて、潮の引いた海に入っていく。
「マリン、気持ちいい?」と妻が言う。僕は、うれしそうに海に浸かるマリンをビデオに収めていた。それが、海が大好きだったマリンの最後の海になった。
翌朝マリンは僕らの寝室で倒れ、そのまま起き上がれなくなった。「マリン、マリン!」と名前を呼ぶと、シッポをぱたぱたとさせる健気な姿に涙が溢れ出た。
すぐに行きつけの動物病院に行くと、先生は「あと二、三日が峠かもしれない」という。悪性腫瘍が肺に転移していることは知っていたし、この日が来ることを二人とも覚悟はしていた。でも、あと二、三日とはあまりに早すぎる。つらかった。しかも妻は翌日から甥の結婚式をかねて、しばらく東京に行くことになっていた。「マリンは大丈夫だよ、待っていてくれるよ」と心配顔の妻に言った言葉は、そのまま自分に向けての言葉だった。
「マリンは大丈夫! きっと大丈夫さ!」
翌朝東京に向かった妻は、結局結婚式の後、当日の夜にとんぼ返りで沖縄に戻ってきた。一晩病院で手当をしてもらっていた。病院の方が安心なことはわかっているが、やはり最後は自宅にいさせてやりたかった。先生も、そうしてあげてください、と言ってくれた。
マリンは家に戻ってきた。寝室のいつもの場所に横たわっている。ただいつもと違うのは酸素吸入をしていること…。
それから2日後の9月29日、マリンは眠るように、静かに天国へ旅立っていった。
享年12歳4ヶ月。
去年の命日には、マリンが大好きだった海に骨を還してあげた。きっとマリンは、沖縄のきれいな海の中でよろこんでくれているんじゃないかな。
マリンと一緒に過ごした日々は、決して忘れないよ。僕らの所に来てくれて、僕らと一緒に暮らしてくれて、楽しい時間を、本当にありがとう。これからは妹分のファルを、マリンと行けなかった所に連れていくね。お父さんとお母さん、それにやんちゃなファルを天国から見守っていてよ。
▼9/29@マリンが初めて沖縄の海に入った場所で泳ぐファル
by mahalohilo | 2009-09-30 14:42 | 沖縄 | Trackback | Comments(6)
とっても嬉しかったです。
29日はマリンちゃんのご命日だったのですね。
読んでいて、、、涙を抑えきれませんでした。
我が家も2匹の娘たちとともに暮らしているので、、、
いつかは訪れる別れを覚悟はしていても、、こうして実際に体験された方の文を読ませていただくと、、、ダメですね。
マリンちゃんの優しく穏やかな笑顔がとっても愛おしいです。
ご家族の愛情に囲まれてとっても幸せだったことが伝わってくる笑顔です。
馬場さんを通してこちらのブログを知ったのですが同じエキサイトだったことを知り、、、勝手に私のブログにリンクしてしまいました。
了解もなしにごめんなさいね。
これからも素敵な文を楽しみにしています。そして、、ファルちゃんのお顔を拝見するのも楽しみにしてます^^♪
またお邪魔させてくださいね!!
それから、、、馬場さんの事をとっても素敵に書いてくださってありがとうございました。読み逃げですみませんでした(^^ゞ
そうですか~
ボクも過去に一緒に暮らしていたブラウンとロクの二匹を見取った経験があります。
ブラウンのほうは本当に眠るようにという感じだったのですがロクのほうは本当に苦しそうで・・・でも僕ひとりしか居なくて、僕の手の中で動かなくなりました。
本当に辛かったです。
二匹ともガンでした・・
その頃リリースしたファーストアルバムの歌詞カードにロクへの感謝の気持ちを込めて写真を載せました。
でもあれ以来、犬を飼っていません 別れがあまりに辛かったからです
お気持ちすごく分かります。
今日は少しロクとの思い出を辿ってみようと思います
そうでしたか、マリンちゃんの命日か~。正直知りませんでした。
でも、あの元気なマリンちゃん、、GLAYのタクロー君と撮ったマリンちゃん、、なんだか最近の事のようですね!
お二人の愛がしみじみ感じる素敵な言葉に、、なんだかこちらも涙が、、。
生と死、、永遠に向き合わなければテーマですよね。
マリンちゃんを しのんで、、。