〈沖縄国際アジア音楽祭 musix2010〉──国際通りを回遊した日(3/27)
街中から“音楽”があふれ出ていた。
バスが国際通りに近づいた途端、いたるところから聴こえてくる音楽で車内が満たされていく。
牧志公園やテンプス前から。むつみスポットや松尾ポケットパークから。そして久茂地スポットや県庁前の広場から、オールジャンルの音楽が、時にほんのりと、時に激しく流れてくる。
僕はのんびりとバスに揺られながら、その音楽を楽しんでいた。こんな日なら、慢性的な国際通りの渋滞も悪くないなと思いながら…。
〈沖縄国際アジア音楽祭 musix2010〉──県内外をはじめアジア諸国からアーティストを招いて開催された沖縄初のこの都市型音楽イベントを、今度はまたバスの中ではなく直に身体で感じたいと思い、僕は県庁前から逆に歩いて牧志方面へと音楽をたどってみることにした。
県庁前の広場では、2MCのバンド「カラフルトーンインク」(沖縄)がパワフルな歌を聴かせている。ステージ前の席には、ファンらしき女の子たちのほかに、おじぃやおばぁの姿も。それはスーパーの公開ライブや北谷カーニバルパークのストリートライブの時も、よく見かける光景だ。たとえ齢をとっても若者たちの音楽を楽しんで聴いている。
以前、Soul Campが母親への感謝の気持ちを歌った「BIG MAMA」の公開ライブをスーパーでやった時、まっさきにCD売場に並んだのは、おばぁだった。
「あんたら、いい歌うたうさー」と言いながら、大事そうにCDを手にする姿に感動した。沖縄には、ふつうに音楽を楽しむ環境ができているのだな。音楽がしっかりと根づいているんだなと思ったものだ。
松尾では、シンガーソングライター「桃子」(沖縄)がアコースティックギターで弾き語りをしている。彼女が歌うポップスやボサノヴァに立ち止まって聴き入る人も多かった。
その後は桜坂劇場で「タテタカコ」(長野)、「amin」(中国)、さらに桜坂セントラルで、「All Japan Goith」と「FUZZY Quartet Row」(沖縄)、てんぷす広場の「うぃずあす」(沖縄)などを見てまわった。みんな一度はインタビューをしたことがあるアーティストばかり。どこもたくさんの人たちが“音楽”を楽しんでいる。ここでも年齢はさまざまだ。
もう一度、県民広場に戻る時間になっていた。「ジャスティン・カーター」(オーストラリア)を観たいと思ったからだ。
会場に着くと、すでにライブは終わりに近かった。彼の奏でるアコースティックな音色と爽やかな歌を聴きながら、いつしかオーストラリアの海の景色を思い浮かべていた。それはシドニーやグレートバリアリーフではない、長い白砂のビーチの向こうに広がる穏やかなパースの海が、僕の心を占めていたのだった。
アウトドアステージとライブハウスを回遊しながら、自分が観たいと思ったアーティストを観て歩く楽しみが「musix」にはあった。伝統民謡からロックまで、老若男女を問わず音楽と自然に付き合う沖縄。この音楽の島だからこそ意味のあるイベントだと思った。
さぁ、そろそろ時間だ。牧志公園に「Shaolong To The Sky」を観に行くことにしよう…。
by mahalohilo | 2010-04-05 18:58 | 沖縄 | Trackback | Comments(3)
ますます魅力が増すではありませんか~!
自然だけでなく、言葉や文化、新旧いろんなものが同居しているのですね。
とりわけ mahalohiroさんの文章からは、層の厚い人間の 強さというか自信のようなものが感じられます。北国だけれど こんなふうに生きられるでしょうか。沖縄には 魅力がいっぱいですね。
初夏の風景も、楽しみに待っています。
初夏の風景、楽しみにしていてください。
ファルは元気です。相変わらず、やんちゃな娘です(笑)。