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T-REXの恋 …… へと、タイムトリップ

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数日前、WOWOWでマイケル・クライトン特集をやっていた。
すっごく懐かしく観せてもらった。
なぜなら一時期、僕は彼の小説にハマり、全作品を読破したりもしていたからだ。

きっかけは20年近く前、あるアーティストの取材でLAに行った時のことだ。
レコーディングスタジオのアメリカ人スタッフが、ものすごく面白い本があるんだ、と言いながら、僕に見せてくれた1冊の分厚いペーパーバックが、マイケル・クライトンの『ジュラシック・パーク』だった。
それからしばらくして、彼のこの小説が映画化され大ヒット作となったことはご存知の通りだ。

T-REXの恋 …… へと、タイムトリップ_c0193396_13251135.jpgWOWOWの特集でオンエアされた『ジュラシック・パーク』を久しぶりに観て、初めてペーパーバックで知った20年近く前に、僕はタイムトリップした気分になった。
観ている間中、ずっとドキドキワクワクしっぱなしだった。
どうして男の子(オジサンを含む・笑)は、恐竜とか宇宙とかロボットとか、が好きなんだろう。

『ジュラシック・パーク』を観ながら、僕は恐竜図鑑や科学図鑑の「宇宙篇」を手に入れて、毎日のように眺めては、太古の地を走るティラノサウルス・レックス(T-REX)や、近くで見たら土星のリングはどうなってるんだろう!?と考えていた少年時代にタイムトリップしていた。


タイムトリップ気分のついでに、時空を1997年10月へワープしてみよう。
そう、馬場俊英と毎月のように取材で会っていた、あの時代へ。
97年11月21日にリリースされた5th.シングル「ティラノサウルスの恋」のインタビュー・ルームへ……一緒にタイムトリップしてみませんか?

           *      *      *

 馬場俊英は、スポーツ的発想やスポーツマン的精神の持ち主なのだと思う。それは小さい頃から野球少年で、中学時代は野球部の3番でサードという花形選手だった当時から、ずっと彼の中に根付いていたものだったのかもしれない。ただし、がむしゃらに“根性!”と叫ぶようなスポ根的なものではなく、もっと健全に汗をかくことを楽しむ、爽やかなスポーツマン的なもの、といった意味で。

T-REXの恋 …… へと、タイムトリップ_c0193396_16443147.jpg この夏にリリースされて以来、全国各地のFM局でパワープレイになるほどファンの支持が高い4枚目のシングル「センチメンタルシティマラソン」も、そんな彼のスポーツ的発想から生まれた曲だと言ってもいい。

 足を止めて寝転んでも誰も責めたりしないけど、バカらしいだろ? 最高につらい坂道を駆けのぼったら何が見えるだろう…きっとそこに、君はいる!

 たとえつらい日々を過ごしたとしても、想い続ければいつか君にわかってもらえる、と馬場はこの曲で、君への想いとマラソンをかけたダブルミーニングという手法で愛を表現する。まさに彼らしいスポーツ的発想の歌だ。

T-REXの恋 …… へと、タイムトリップ_c0193396_13262086.jpg「この曲を作っている時は、ちょっとスポーツっぽい心境だったんですよ」と彼は言う。
「僕は周期的にそういう心境になる傾向があるみたいで。(笑)僕はスポーツ中継を観るのが好きで、なんでもよく観るんですね。特に陸上競技はスタートがあって、ゴールがあって、結果がでるというふうに、そのガンバリ方がわかりやすいですよね。エネルギーと情熱を注いで時間を過ごすというか。そういう生活をしたいと思ってた時期だったんですよ」

 そこからマラソンと恋愛がクロスしていく発想の過程が、またたまらなく彼らしい。
「走るというのは、目標に向かって突き進んでいく、気持ちが走るみたいなイメージが僕にはあって。夢が待っているというのではなく、こちらからその夢に向かって走っていくというイメージを歌った曲なんです。夢とか希望というとハッピーな感じがあるじゃないですか。でも夢を見てる時というのは、こんなふうになればいいなって現状に満足していなかったり、不安な時期だと思うです。夢と背中合わせにある悲しみや不安でいっぱいの中を目標に向かって走っていく、みたいなね。それが僕の中のマラソンのイメージに重なったんです」

T-REXの恋 …… へと、タイムトリップ_c0193396_11413270.jpgこの「センチメンタルシティ マラソン」の“New Sneaker Mix”も収められた馬場の3曲入りマキシシングル「ティラノサウルスの恋/君は恋人で、恋人で友達で」がリリースされた。
「ティラノサウルス〜」は、先の「センチメンタル〜」同様、ステージで歌っている彼の姿が連想できる、実にライヴ感のあるロックチューンだ。音を繊細に積み上げ、詰め込んだデジタルサウンドが主流の今の音楽シーンにあって、彼のアナログ的なサウンドは、逆にとても音に血が通っていて新鮮に映る。

「今回は初めて僕が1枚まるごとアレンジをやったんですけど、やっぱりギタリストやベーシストがいてドラムの人がいて、で、僕が歌ってという、1人1人の存在が見えるような音にしたかったんです。これが僕のやり方なんですよね」

 それにしても、詞の中の彼の視線には独特のものがあると思う。この「ティラノサウルス〜」では、彼女への想いの強さを、たとえ恐竜みたいな化石になっても、土の中で君のことを愛してると呼び続けるだろう、と表現する。

「そういうのが好きなんですよ。裸の気持ちで愛するというか。だったら、それよりもっと強いのは何かというと骨になっちゃう。(笑)それぐらい強い愛という感じ。オシャレじゃない愛もいいなぁと思って。ドラマのような恋愛じゃなくて、ラヴレターを出すみたいな、もっと時代遅れな恋愛の歌にしたかったんです。でもティラノサウルスだと40臆年も時代遅れですね(笑)」

T-REXの恋 …… へと、タイムトリップ_c0193396_13255568.jpg そしてもう1曲が「君は恋人で、恋人で友達で」。荷物をまとめて部屋が出ていく彼女の後ろ姿を見送りながら、彼女への優しさや配慮が足りなかったことを後悔する、とても切ないバラッドだ。

 デビュー曲の「星を待ってる」にしても、ファーストアルバムの中の「夢」や「「優しい雨のように」を覚えてますか?」にしても、彼の詞には胸を奥底がキュンとなるものが多い。きっと彼自身がとても繊細でセンチメンタルな人なのだと思う。そうでなければ、あれほど聴く者の感情を揺さぶる歌は作れないと思うのだけれど。

スポーツ的発想やスポーツマン的精神と同時に、センチメンタルな心も持ちあわせた馬場俊英は、同じ男から見ても、憎いほどカッコイイやつだ。
                     (取材・文/伊藤博伸 Gb 97年11月号)



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by mahalohilo | 2010-06-05 13:44 | 馬場俊英 | Trackback | Comments(8)  

Commented by 村上家 at 2010-06-07 22:50 x
こんばんは!
タイムトリップにご一緒させていただいてありがとうございます。

いつか、何かで馬場さんが「僕はがんばることが得意なんです。」っておっしゃってました。
上手く出来る出来ない、とは別に「がんばる」ことが得意。
スポ根的ではなく、さわやかに何かに向かっていつも走っているイメージ、ですね。

裸よりももっと強い気持ちで・・は骨になっちゃう(笑)。ラヴレターを出すみたいな時代遅れな恋愛。
あ~~、馬場さんらしい表現だな・・って嬉しくなりました。
ハンディフォンもパソコンもない時代遅れな部屋の中でも、
最新の愛でいっぱい・・だなんて、
当時の、ちょっと自信家でピュアな馬場さんが目に浮かびます。

穏やかで、優しい、表面的にはそんなイメージの馬場さんですが、
その中に色んな馬場さんが存在していて、それが見え隠れする瞬間。
私が馬場さんを好きな一番のポイントかも知れません。
男の人から見たら、憎いほどカッコイイやつ!なのですね^^





Commented by Pippiママ at 2010-06-07 23:58 x
こんばんはぁ~~♪
私もタイムトリップご一緒させていただきましたよぉ~

そして自分も少しだけ前、、そう一年前の6月までタイムトリップしてきました(笑)
日比谷野外音楽堂で聴いた「君は恋人で、恋人で友達で」。。大好きなこの歌を初めて生で聴けて、、
あの時の感動が蘇ってきましたよ♪
今の馬場さんが歌うこの歌も好きですが、、やはり少しだけ若い声の馬場さんだから余計に切なさが増すんですかね。。。。。


あっ、、ファルちゃん、おやつもらうとこなのかなぁ~
「マテ」をされてる??
この一途な眼差しについつい、、、ですね(笑)
Commented by mahalohilo at 2010-06-08 10:13
村上家さん。仮想タイムマシンにご搭乗ありがとうございます(笑)。
不思議なもので、この文章を読みかえしていたら13年前のインタビュールームの風景が鮮明に蘇ってきました。「ティラノサウルス〜」のジャケット写真のように、馬場クンは髪が長かったな。ルックスはだいぶん違うけど、考え方や、ちょっと照れ笑いしながら話す感じは今と変わってないなって思う。それにしても、憎いほどカッコイイやつ、って書いてる自分が、今ちょっと恥ずかしい、かも(笑)。でもその時は素直にそう思ったんだよね。
Commented by mahalohilo at 2010-06-08 10:22
Pippiママさんもご搭乗ありがとう。
「ティラノ〜」のカップリングだった「君は恋人で、恋人で友達で」、僕も好きな曲です。去年の日比谷野音、僕もその場所にいました。Pippiママさんも一緒の空間にいたんですね。馬場クンを通して、こうして出逢えたこと、不思議な気もするけど、うれしいですね。
ファル娘の写真は最近おぼえた「タッチ」です。片手ずつお手をした後で、両手をひざにのせて、「マテ」のポーズ。おやつが欲しい時は、自分から積極的にやる食いしん坊な娘です(笑)。
Commented by のり at 2010-06-08 22:12 x
こんばんは。お久しぶりです

ファルの写真かわいすぎです。おっきい犬がこういう格好するのがたまりません。壁紙にしたいくらいです。
ここをのぞくようになって初めて知った馬場さん。
この間映画の主題歌に使われるようで初めて聴いて
もっと聴きたいと思いました。
堤さんの映画のってここの馬場さんですよね??
いつかファルに会いたいです
Commented by mahalohilo at 2010-06-08 22:37
のりさん。ファルは先月3歳になってから急におねぇちゃんになった気がします。誰にでもすっとんでいかなくなったというか。むやみに飛びつかなくなったし。ま、一度かわいがってくれた人には、会った瞬間、オナカをだして、ひーひー言いながら甘える姿は変わらないけど。
そう、堤さんの映画『孤高のメス』の主題歌「待ち合わせ」を歌ってるのは、馬場クンです。ほかにもイイ曲がたくさんあるので聴いてみてください。コメントありがとう。また遊びに来てくださいね。
Commented by チョコクッキー at 2010-06-10 16:29 x
mahalohiloさん、こんにちは!
先週一週間、風邪引きで高熱に倒れていましたチョコクッキーです(笑)
はい、もう大丈夫です。復活しました(笑)

ファル娘ちゃんのかわいいポーズに癒され、タイムトリップして、当時の馬場さんの表情を妄想?しながら読ませて頂きました。
いつもありがとうございます。

馬場さん、色んなお話をして下さいますけれど、その中にも沢山の表情が見え隠れして、いつも、お逢いするのが楽しみです。
 
近づく事の出来ない程ステキな馬場さんや、当たり前の普通の男性としての馬場さん、もちろんこちらもステキです。

さて、mahalohiloさん、この前の宿題、佐藤聖子さんの『恋をするなら』聴かせて頂きました。バックボーカルの馬場さん、お若いですね(笑)
馬場さんのこの歌とっても好きですが、女性版『恋をするなら』もステキに仕上がっていますね。歌詞は変わっていますが、佐藤聖子さんの声、とっても素直でキレイで素晴らしい。

おかげさまで、『もうすぐゴング』を今、激リピートしています(笑)
Commented by mahalohilo at 2010-06-10 18:10
チョコクッキーさん。カゼからの復活、よかったですね。この時季のカゼは長引きますよね。
そうですか、聖子ちゃんの「恋をするなら」聴いてもらえましたか。彼女は馬場君の曲(作詞が多い)をたくさん歌ってます。ホント、いい曲が多いんだけど、残念ながら確かアルバムは全部廃盤なんだよなぁ〜。チョコクッキーさん、よく聴けましたねぇ。スゴイです!(拍手)

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