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大波打ち寄せる嵐の海のようなザ・ビートモーターズのライブだった

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大波が次々と押し寄せてくる嵐の海を想った。
防波堤にぶつかった波は、持て余したエネルギーの塊を飛沫に変えて大空へと解き放つ。
腹に響く大波の破裂音。底知れぬエネルギー。それが絶え間なく襲いかかってくるあの嵐の海に、その時、僕は確かに居た。
下北沢シェルター。ギュウ詰め状態のライブハウスは大波がうねり寄せる瞬間を待っていた。
嵐の前の静けさ。囁き合う声が徐々に大きくなってくるのは、例えようのない興奮の前ぶれか。

ザ・ビートモーターズ。2ndアルバム『素晴らしいね』レコ発ツアーのファイナル。2010.6/11(金)。
最初に寄せてきた波は、「愛をさがして」だった。
次が、「アンドレア」。初っぱなから内包したエネルギーを惜しみなくぶちまける。
すでに2曲目で、Vo.秋葉の髪は吹き出した汗で顔にへばりつく。ディランのTシャツも汗で色が変わっている。まだまだ始まったばかり。客の反応はどうか。波が大きければ大きいほどワクワクするサーファーの心情と同じように、曲が続くにつれて振り上げるガッツな拳と笑顔の歓声に変わっていった。

時折ザ・バンドや、ビーチボーイズ『ペット・サウンズ』の横風も感じながらも、それすら全身で取り込みバンドの色にして放出する秋葉のキャラに惹かれる。そんな彼をがっつり支える木村(G)、ジョニー(B)、鹿野(Ds)の存在もデカイ。安定したビートの支えがあるからこそ、そこでどんなに弾けても揺るがない。それがいい意味でバンドの個性に繋がっていく。ビートモーターズの良さは、揺るぎないバンドサウンドと弾けるヴォーカルの個性にあると思う。

「素晴らしいね」は、ホントにスバラシかった。
スローでベヴィな音の中で「すばらしいね」と連呼する前半パート。中盤から構成が変わってテンポアップ。ゼップの「Whole Lotta Love」や「Dazed and Confused」の間奏部分のサイケなインプロビゼーションを想像させる展開、そして再びスローな「すばらしいね!」に戻っていく曲構成がイイ。
ギブソンSGのダブルネックを弾く木村は「Stairway to Heaven」を奏でるジミー・ペイジを彷彿とさせ、ハネながらもきっちりとビートをキープするジョニーのプレイはジョン.P.ジョーンズを想像させた。ちょっと褒めすぎ?(笑) いや、それぐらいこの曲は僕の中でスバラシかったのだ。

無防備になれる音楽だった。構えることも、気取る必要もない。ありのままの自分で、どしゃぶりの雨のような音楽に打たれ身を任せる感覚。体を刺す雨がやたらと気持ち良く感じる、あの感覚がビートモーターズの音楽にはある。

この夜、どしゃぶりの雨というよりは、防波堤にぶちあたり飛び散る飛沫のような音を浴びながら、あらためてココロもカラダも、全身が反応する気持ちイイ音楽に出逢えたことにガッツポーズしたい気持ちだ。

ザ・ビートモーターズ。次のライブはいつなのか、即効チェックしてみようと思っている。また、あの爆音に出逢うために。

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photo by O-NABE

by mahalohilo | 2010-06-12 12:59 | music | Trackback | Comments(0)  

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