2010年 12月 05日 ( 1 )

 

馬場俊英ツアー『悲しみよ、明日の星になれ』@中野サンプラザホール

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11月28日、馬場俊英の『LIVE TOUR 2010 悲しみよ、明日の星になれ』の東京公演、3年ぶりの中野サンプラザホール。

始まりの時を待つ会場内に、懐かしい歌が流れていた。
マリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・ジュニアの「You don't have to be a star(to be in my show)〜星空のふたり」、マンハッタンズの「Shining Star〜夢のシャイニング・スター」etc.……それは馬場自身が選曲した80年代の名曲の数々だった。
そしてそれらは、どれも僕の想い出にも深く寄り添っている曲でもあった。
聴きながら、若い頃の記憶が次々と湧いてくる。この歌をよく聴いていた頃はこんなことをやっていたな。この歌の時は…。そういえば、ここ中野サンプラザは、僕らが結婚式をあげた場所だったな、とかね。音楽って本当に不思議な力を持っていると思う。曲を聴いただけで、こんなにもいろんな記憶が呼び起こされるのだから。

c0193396_18363884.jpg馬場の歌でもそういう想い出に寄り添っている曲がたくさんある。
リリースのたびに話を聞いていた初期の曲たち。なかでも「恋をするなら」「センチメンタルシティ・マラソン」「ティラノサウルスの恋」。
しばらく逢わない時を経た後で突然郵送されてきたアルバム『鴨川』に入っていた「ボーイズ・オン・ザ・ラン」「鴨川」、何度も何度も聴きかえした「一瞬のトワイライト」「STATION」「スタート・ライン」、そして永遠の旅立ちをする前に、兄を力づけてくれた「いつか君に追い風が」「明日の旅人」……。どの曲にも語りだしたらとまらないくらい想い出の断片が歌に溶け込んでいる。
だからライブの時にそういう歌が流れてきた瞬間、急速に時を遡る。
曲が変わるたびに、時間軸を行ったり来たりするのである。

この夜のライブでは、オープニングのBGMから僕は時間軸を右往左往していた。


オリジナルヴァージョンにより近いカタチで演奏された「スタートライン」でライブは始まった。
以前ブログでも書いたが、それは妻が落ち込んでいる時に悲しみや辛さから立ち直るきっかけになった歌だ。どうしても馬場の生歌の「スタートライン」を聴いてほしくて、3年前の中野サンプラザホールに一緒に来たっけ…。

「一瞬のトワイライト」で20年前の自分を見つめ返し、「STATION」で過去の痛みのかさぶたが少しだけはがれ、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」では“ジロー”に若い頃の自分自身が重なる。レスポールじゃなくて、僕はギルドのアコースティックギターだったけど…。

そしてアンコールで馬場の音楽で辿る時間軸の旅は過去のマックスに。曲名は伏せるが、それは馬場のファーストアルバムに収められていた曲だった。このアルバムのインタビューをした97年当時の情景が脳裏に浮かぶ。野球少年だった頃のことをうれしそうに話す姿が思いだされる。
あの頃も、今も、自分自身としっかり向き合いながら、ひと言ひと言を大切に話す姿勢は変わっていないな、と思った。

「素敵なミュージシャンたちと出逢って、こうやってみなさんの前でライブができることは、僕にとって最高の宝物です」
最後に馬場はこう言ってステージを後にした。

懐かしい曲から未発表曲「悲しみよ、明日の風になれ」「海鳴り」まで全19曲。最初から最後まで、優しくてあたたかい空気が流れていたライブだった。
それは馬場の歌を受けとめ、ファン自身が想いをこめてステージの馬場に投げ返すことで繋がる気持ちのキャッチボールが、あたたかい雰囲気を生んでいたのだと思う。

僕にとってのいろんな想いの詰まった中野サンプラザでのライブ。
素敵な時間だった。

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by mahalohilo | 2010-12-05 18:48 | 馬場俊英 | Trackback | Comments(8)