
東京ドームを背にしたJCBホールの前には、人の列が長くのびていた。
開場が始まり、その列がゆっくりとホールの入口から中にすいこまれていく。
そこでは、ディズニーのキャラ、バスターがみんなと記念撮影をしている風景も。
凍えるような寒さも、ここだけはライブを待ち望むファンの熱気でほんのり暖かく感じてしまう。
2月21日、the pillowsの『OOPARTS TOUR』の最終日。チケットは完売。始まる前から、なにかすごいことが起こりそうな、うれしい予感。
会場は、ステージを両腕で抱きしめるようなカタチで、半円形に設けられた客席が三階まで。今日は1階フロアがオールスタンディング。ここだけでも1000人以上はいるだろう。2階と3階席も加えると、2000人近く入っているように見える。このすごい人の中にいると、小さなライブハウスで、間近で観れた沖縄公演はあらためてラッキーだったんだなと思う。

「ビスケットハンマー」「空中レジスター」「YOUR ORDER」と、たて続けにプレイした後で、ひと息。と思ったら、簡単なMCの後で「FOXES」が始まった。
「Rodeo star mate」では佐藤さんのミッキーのモノマネMCに会場の人たちも大笑い。沖縄公演でも着ていた、あのいかにもこれぞアロハ!(笑)というアロハシャツ(国際通りで買ったもの)でプレイ。続いての曲、個人的に大好きな「ターミナル・ヘヴィン・ロック」に興奮したなぁ。
MCでさわおさんは、今回のツアーでは久しぶりにメンバーみんなでカラオケに行ったと話す。ベースの鈴木さんがパフュームの「ポリリズム」を振りつきで歌ったのが意外と良くて、「今度おぼえよう」と言っていた真鍋さん。さわおさんは、「スタッフがどんどん曲を入れちゃうんだけど、それがピロウズの曲で。ライブが終わった後なのに、もうワンステージやるぐらいピロウズを歌った」と苦笑いする場面も。
また、佐藤さんの「さっき外にバスターがいたでしょ。あの中に入ってたのは、僕!」という話に、会場から一斉に「えぇ〜」。
実は、長野では鈴木さんが。名古屋では真鍋さんが。そして19日のZEPP TOKYOの時はさわおさんが中に入っていたのだとか。「頭はたいたり、パンチくらわせたやつ、おぼえてろよ。中から撮影してたからな(笑)」と佐藤さん。その映像は、この日撮影していたライブ映像の特典として発売されるらしい。
「音楽的にはこれからも満足いくまで追い求めていこうと思うけど、商業的にはもうこれぐらいで十分かな」とさわおさんは言う。商業ベースにのって、デカいセールスを上げることを目指すよりも、これ以上は望まない。身の丈にあった、自分たちのペースでイイ音楽を発表していきたいということだ。そのスタンスが実にカッコイイと思う。
MCでも言っていた身の丈にあった自分らしい人生をタイトルにした「LIFE SIZE LIFE」。英語詞によるアップビートなロックチューンに鳥肌がたった。
僕は最後までオトナのロッカーが見せるオトナのライブに魅せられていた。
それを直接伝えたくて楽屋に行った。
ゲストの控え室にはマスコミの関係者がたくさん集まっていた。昔からの知り合いのラジオパーソナリティの中村貴子嬢もいる。真鍋さん、佐藤さんがふらりとやってきて話していく。
最後に入ってきたさわおさんに、ライブで感じたことを話した。
さわおさんも「ホント、今日は気持ちよくできた」と満足そうだった。
楽屋前の廊下にJIROがいた。
「ひさしぶり」とおたがいの近況やら、「よかったよね」とひとしきりライブの感想を話しあった後で別れた。
それから僕は、貴子嬢と、新宿で飲んだ。GLAYの話や仕事の話、いろんな話をした。11時を過ぎた頃に、これからピロウズ恒例の“朝まで打ち上げ”に行くという貴子嬢を送り出した。楽しい時間だった。
その翌日、JIROからこんなメールがきた。
「あの後、打ち上げに行ったら貴子さんに会いました。伊藤さんと飲んでたと聞き、今度はボクも御一緒したいです!」
うれしい心づかいだ。JIROは、やっぱりJIROだなぁ。ありがとう。
ぜひ、次は一緒に飲もうね。

▲ by mahalohilo | 2010-02-23 16:03 | music | Trackback | Comments(4)